年金分割を受け取るために公正証書を作成しておきましょう
年金分割制度とは
受け取ることのできる年金の金額というものは、今までにどれくらい年金保険料を納めているかという「保険料納付記録」をもとにして決まります。「年金分割」とは、会社員の夫を持つ専業主婦の場合には、夫の「保険料納付記録」の最大2分の1を分割して、妻の「保険料納付記録」に付けたすことを意味します。つまり、妻は、その納付記録の分だけ、自分が会社員として給料をもらって保険料を支払っていたことになり、年金の支給が開始される年齢になれば、それに対応した厚生年金を受け取ることができるようになるということです。
年金分割制度についての注意事項
国民年金は年金分割されません年金分割されるのは、あくまで「厚生年金」であり、「国民年金」は年金分割されません。したがって、そもそも「厚生年金」に加入していない自営業の夫から年金分割を受けることはできません。
離婚してすぐには受け取れません
離婚したときに分割された年金を受け取れるわけではありません。妻が自分の年金を受け取れるようになってからです。
年金分割の割合は必ず2分の1ではありません
年金分割の割合は2分の1となる場合が多いですが、当然に2分の1の年金分割が認められるわけではありません。
分割される年金について
必ずしも、「夫から妻へ」の年金分割とは限りません。夫より妻の収入が多い場合は「妻から夫へ」の場合もあります。
年金の受給資格
年金分割の恩恵を受けるためには、年金支給開始年齢のときに厚生年金の受給資格があるということが必要となります。国民年金、厚生年金、共済年金のいずれかに通算25年以上加入している必要があるので、いくら年金分割をしてもらっても、自分自身に保険料未納の時期がある等の理由で、年金の受給資格がなければ、全く意味がないことになってしまうので注意が必要です。
年金分割を受け取るために公正証書を作成しておきましょう
1.夫婦間の合意もしくは裁判所手続きにより年金分割の割合を決める
夫婦間の合意により年金分割の割合を定める場合
・公証人が作成する年金分割についての記載のある「公証証書」
・公証人の認証を受けた「私署証書」(当事者の署名または記名押印がある私文章)
このどちらの場合でも、次のものを記載する必要があります
・ご夫婦それぞれの氏名・生年月日・基礎年金番号
・年金分割することについて合意した旨
・合意により決まった年金分割の割合
ご夫婦間での年金分割の合意がまとまらない場合は、家庭裁判所に対して申立てをして、裁判手続きによって年金分割の割合を定めることができます。
2.社会保険庁(窓口は最寄りの年金事務所)に分割改定の請求を行う
夫婦間での合意や裁判手続き(調停、審判等)で年金分割の割合が決まっても、分割改定の請求をしなければ、厚生年金の年金分割は行われません。年金分割の請求は、社会保険庁(窓口は請求する者の現住所を管轄する年金事務所)に年金分割の請求書を提出して行います。なお、年金分割の請求は、離婚をしたときから2年内に行わなければなりません。
添付書類
・年金手帳または基礎年金番号通知書
・戸籍謄本もしくは抄本
・年金分割の割合を定めた書類(公正証書、調停調書等)